イントロダクション

イントロダクション


――「見つめすぎると流される、
        聞きすぎると見失う」

一緒に並んでどこまでも泳いだり、
月明かりのもとでいつまでも語り合った、
あの母と暮らした幸せな日々を奪ったのは、
同じ生き物のはずの「人間」だった……。


 「クジラはどうして歌うの?」
 「空や海はどうして青いの?」
 「人間っていい生き物なの?悪い生き物なの?」


ゆれ動く景色と水にとまどい、
変わらない仲間たちの言葉と身のこなしに
突き動かされ、
いつしかそれは、ただ生と生の狭間へと、
深くまっすぐ沈み込んでいく……。


さまよえる一個の魂の遍歴を、独自の文体と
構成で描いて、混迷を極める人間社会を
痛烈に打ち抜く、愛と感動の一大巨編!